最近読んだ漫画の感想です。
買おうか迷ってる方にとって少しでも参考になれば嬉しいです^^
『大奥』
著者:よしながふみ
出版:白泉社、ジェッツコミックス
発売日:2005/9/29(1巻)~2021/2/26(19巻)
要素
・全19巻
・完結済
・時代物
あらすじ(コミックス背表紙から引用)
男子のみを襲う謎の疫病が国中に流行り、男子の数が激減。男女の立場が逆転した世界に生まれた貧乏旗本の水野は、大奥へ奉公することを決意する。女性の将軍に仕える美男三千人が集められた女人禁制の場所・大奥で巻き起こる事件とは…!?
ネタバレ感想
・過去にドラマ化もしていて(未視聴)タイトルは聞き覚えがあり、「男女逆転モノの大奥のお話」とだけ認識してました
・私、歴史がめちゃくちゃ苦手で…正直、歴史上の出来事とかサッパリなんですが、それでも楽しめたんですよ!!
・kindle unlimitedに1巻~3巻まで入ってたので、好きな作家さんだし、って軽~い気持ちで読んでみたんです
・残り全巻買うハメになりましたよね!!!よくある!!!
・徳川の将軍とか、名前も似てるし誰が誰だか分からないレベルで読み始めましたが、それでも面白かった!!!
・歴史的背景に重きを置いてるわけではなく(則ってますが)、なによりも登場人物たちがその時代時代を懸命に「生きてる」んですよね!
・単純な男女逆転モノではなく、なぜそうなったのかもきちんと語られます
・時代背景や歴史に即して、史料に基づいて出来事が発生し時代が流れていく(と思われる…歴史苦手なので…)
・最終的には徳川の世が終わりをつげ、「大奥」が役目を終えるところまで
・タイトルの通りに「大奥」を舞台にした群像劇、という感じで読みごたえたっぷりでした!!!
・ハーレム(女将軍に対して大奥の美男たち)、同性愛(男同士も女同士も)、強姦、輪姦、近親相関(母と息子、父と娘…)
・あちこちで色んな愛憎劇が繰り広げられており、わりと何でもありでブッたまげますね!
・特に読み応えがあったり好きなエッセンスを部分的に書いていきます!
赤面疱瘡(あかづらほうそう)
・若い男性(と、まれに成人以上の男性も)のみ罹る、謎の疫病
・致死率がめっちゃ高く、罹患すると5人に4人は死亡する
・国中で大流行したため男子の数が女子の4分の1まで激減
・これが物語の根幹にある部分ですね
・徳川3代将軍家光(男)も赤面疱瘡により死亡したため、ここから女性が将軍に代わります
・赤面疱瘡が解決するのは物語の中盤、12巻あたりです
・原因を突き止めようとしたり、克服するための医療分野の努力などもすさまじい…!
・医療ってこういう風にして発展していくのかな、と思わせてくれますね!
万里小路有功(お万の方)
・名前が初見殺し、フリガナないと読めねぇ…!
・この方から全ては始まった、って感じのお方
・超絶美形、最初はお坊さんで坊主頭なのに美形
・徳川三代目将軍家光の娘(対外的には「家光」)と愛し合う
・家光との間に子供はできず、大奥を取り仕切る役割に
・いやいやいや美形、公家の出身、頭も良い、気遣いバリバリできる、出家したものの還俗させられる…色々と盛り盛りですね!
・家光と愛し合って幸せ絶頂期からの、世継ぎ問題やら、読み応えバッチリ…!
・家光の娘の初恋泥棒までしてしまう、無自覚で罪作りなお方
・この方が出てるのは2巻~4巻
徳川綱吉(五代目将軍)
・なんか歴史の教科書で見たことある気がする名前ですね!
・有功の部屋子だった玉栄と、家光の間にできた娘
・玉栄はすっかり親バカのおっさんになってますね!それもビックリ!
・綱吉は目がパッチリした可愛い系の顔なんですが…
・どんどん恋愛沙汰であちこちを不幸にしていきますね…
・家臣の夫に手を出したりさらにその息子(既婚)に手を出したり、家光の当たりとはまた違うハラハラ感
・一人娘を亡くしてからはさらに歯車が狂ったようになっていきますね…!
・世継ぎを産まないといけないけれど産めないままに年を食ってく辛さよ…
・この方が出てるのは4巻~6巻
徳川吉宗(八代目将軍)
・この方もなんか歴史の教科書で見たこと(略)
・女傑!!って感じの清清しいお方
・この作品の中の将軍では一番好きです
・出産時にまで政治に関するやりとりしてるあたり、強すぎます
・大局を的確に見る目があるものの、人の心の機微には疎いあたりとても好感が持てますね^^
・大奥の形骸化した決まり事ってすぐに死罪にしがちなんですが、「貴重な男子を」「もったいない」と言ってしまう素晴らしい感覚の持ち主!
・この方が出てるのは1巻、7巻~8巻
田沼意次(たぬまおきつぐ)
・吉宗公のお小姓からその娘、家重(九代目将軍)のお小姓になり、そのまま出世街道爆進
・吉宗公の頼みにより、赤面疱瘡の治療について何とかしようとし始める
・美人、辛抱強い、気遣いできる、頭いい…すごい有能感
・この方が城内を仕切っていた時期はとても安心して読めます
・どの世代の方でもそうですが、歳を取ってからの失脚するあたりのお話が悲しすぎる…
・この方は8巻~12巻で出てます
蘭学者たち
・蘭:オランダ、オランダの学問ですね
・この時代、日本の医学よりオランダの方が進んでいたけどなんかめっちゃ学ぶのに制限があり
・っていうか、なぜか女子は学んじゃダメになってた学問…なんでやねん
・田沼意次の要請により、大奥でこっそり赤面疱瘡の研究を開始!
・治療するのではなく、予防の観点で進めていったりと今のご時世、感染症対策としても面白い!
・田沼意次の失脚と共に、青沼(メインで赤面疱瘡の研究を進めてた人)が処分されてしまうんですが…
・他の人たちで遺志を継いで、途切れさせずに克服していくところがもう!
・すんなりとはいかない、熱い展開でした
・8巻~12巻が、蘭学者たちが赤面疱瘡に立ち向かって克服していくお話です
徳川治済
・こいつは…マジモンのサイコパスでは???
・本作の中で、人間性はこの人が一番ヤバく感じました(他も色々ヤバい人は多かったですが)
・幼いころから息をするように嘘をつく
・気に食わないことがあればすぐに毒を盛ったりして相手を殺して排除する
・邪魔者は当然のように毒を盛って殺す
・自分の息子の子供たち(要するに孫)を暇つぶしに殺す
「退屈しのぎに豚の子のように生まれる家斉の子を適当に間引くのも容易すぎて…」
・さすがにドン引きですよ!?!?
・自分が疑われないようにうまい具合に立ち回る
・赤面疱瘡の解明の邪魔をし、蘭学者たちを処分…ああぁ青沼さあぁぁぁん!!!
・国のことよりも自分のこと最優先で、ひたすら怖い怖い怖い
・一番権力を持たせちゃダメな人種ですね!
・いやもう、早く誰かコイツを止めてー!!!って感じでしたね!
・10巻~12巻で出てます
・それ以外にも色々とあるんですがね!色々ありすぎてもう…!
・あちこちで毒が盛られて死んでたり
・なんも信じられなくなった将軍(男)が娘に手を出したり…キモ過ぎてもう…
・逆に、母親が息子に執着して自分の相手をさせたり…
・そんで、物語の後半はだんだん時代の流れそのものにフォーカスされていったように思います
・開国し、徳川の世も終わり、新しい時代へ…
・「大奥」のあった時代のお話を見事に描き切っていて流石ですね!
まとめ
時代モノが好きな方も、そうでない方も、どちらでも楽しめるお話だと思います!
徳川の時代をなぞってるので、主役も変わっていくんですが、それもまた色々と繋がっていて面白い!
一度読み始めたら止まらなくなりましたが、完結してるので安心して読み切れるのも良いですね!
補足
Amazonのkindle unlimited、月額980円で対象の本が読み放題になるサービスなんですが
これ、意外と対象の本が多くて、漫画だと2冊も読めば元が取れるのでオススメです!
「大奥」は1巻~3巻が対象に入ってました
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