最近読んだ長編漫画の感想です。
買おうか迷ってる方にとって少しでも参考になれば嬉しいです^^
『コウノドリ』
著者:鈴ノ木ユウ
出版:講談社、モーニングコミックス
発売日:2013/6/21~2022/8/23
要素
- 完結済
- 全32巻+1冊
- 医療
- 妊娠、出産
- ドラマ化
あらすじ(コミックス背表紙から引用)
出産は病気ではない。だから、患者も家族も安全だと思い込んでいる。毎年この産院で行われる2000件の出産で、約300件の出産は命の危険と隣り合わせだ。その小さな命が助かることもあれば、助からない時もある。100%安全などあり得ない。それが出産。年間100万人の命が誕生する現場から、産科医・鴻鳥サクラの物語。
感想
・全人類、男性も女性も、できれば(自分orパートナーが)妊娠する前に読んでおきたい漫画
・ちなみに私は妊娠前には数巻だけ読んでましたが、妊娠後は怖くて読めず、産後1年経ってから読みました^^;
・いやもうホント、妊娠前に読んでおくべきだと思うんですよ!!
・あまりに出産のリスクが軽視されてるというか知らないことが多すぎで!!!
・いやまあ、私の場合は知ってたら妊娠してないと思いますが!怖すぎるので!!!
・医療のお話なので、当然、助かる場合もあれば助からない場合もあるんですが
・怖いのは、「決して大げさに描いているわけではない」というところですね
・各回、テーマに沿ってお話が進んでいくんですが、どれも勉強になります…
・と同時に、「普通に」出産できることは本当に運が良かっただけなんだと感じますね
テーマごとのエピソード
・流産、子宮外妊娠、早産、NICU、妊娠高血圧症、子宮頸がん、などなど聞き覚えはあるけど具体的にはあまり知らないことから
・羊水塞栓症、腎盂腎炎、子宮頚管無力症、などあまり聞きなれないけど恐ろしいものやら
・災害時の医療、NICUに入った赤ちゃんのその後、産後うつ、通常の分娩から退院まで、などなど
・およそ産科関係で起こることを網羅的に描かれていました
・昨今の情勢から、完結後にさらに「新型コロナウイルス編」まで…!
・各テーマごとにわりと強烈なエピソードで描かれているので出産関連の本よりも記憶にも残りやすく、一読の価値あり!と思います
・ひとつとして同じお産はない、お産に絶対はない、というところは出産を経験されてる方であれば実感あるかと思いますが…。
・個人的に特に印象に残ったのを挙げると↓↓
羊水塞栓症
・19巻に収録
・母体死亡率60%以上の予測不可能な疾患…
・分娩時に大量出血が起こりそのまま死亡するケースも…
・いや怖っ!!!
・数万分の1の確率とはいえ、それまで通常の分娩だったはずなのに急激にショック状態になって、って…
・かなり衝撃的でした
出生前診断
・23巻に収録
・胎児に染色体異常があるかどうか検査して、妊娠を継続するか決めるアレです
・言葉は聞いたことある人も多いかもしれませんが、実際に検査まで行う人は少ないのでは?
・で、実際に検査して陽性だった場合には悩みながら決断を下さないといけないのですが…
・検査を受けるのか、受けないのか、結果をみてどうするのか、きちんとカウンセリングが行われたり
・ただ、適切なカウンセリングを行わずに検査だけするような病院もあったり
・なんかホント…リアル…なんですよね
・検査を受けないと決めた夫婦も、検査した結果陽性で中絶することになった夫婦も
・正解がないので、決断が難しい…!
風疹
・4巻に収録
・このお話は妊娠前に読んでいて、風疹の抗体検査を受けにいきました
・風疹の抗体のない妊婦が妊娠中に風疹にかかると、胎児に影響がデカいんですね…
・抗体がない場合、注射1本打っとけば防げる病気なのにワクチン接種率が低い、と
・まず妊婦が風疹に罹るとヤバい、というのもなかなか知らない…
・啓発にとても良いエピソードだと思います…!
新型コロナウイルス
・新型コロナウイルス編に収録
・タイムリーな話題も扱ってくれてますね!
・私自身がコロナ禍での出産だったので、すっごい現実味があります
・というか、コロナ禍以外での出産を経験していないので、むしろ本編を読んだときに
「昔は付き添いできたんだ~」「昔は入院時に面会できたんだ~」と思ってました^^;
・確かに妊娠中、「正産期にコロナ感染した場合は、総合病院で帝王切開で産むことになる」と説明されていたのでビクビクしてましたが…
・読んでみてなるほど、こうなるのか…!という感じですね…まんまこれですね…
「旦那が立ち合いも面会もできないなんて異常だよ」
・こんなセリフも飛び出すレベルなんですね…!
・具体的な解決とかないまま終わりますが、現実、まだまだ収束してませんしね
・これはマジで早く収束してほしいところです
登場人物
・妊婦側に様々な事情やら症状やらあるのはもちろんなんですが
・医療者側にもそれぞれに物語があり、それがチームとしての医療を形成されているのも見どころでした
・実の母を子宮頸がんで亡くし、乳児院で育った鴻鳥先生
・鴻鳥先生の同期で実家が産婦人科の四宮先生
・産科から救命へ転科して、成長して戻ってきた下屋先生
・母が助産院をやっていた助産師の小松さん
・新生児科医で一度バーンアウトしたもののまた復帰した新井先生
・シングルマザーで娘を育てながら産科医として働く倉崎先生
・などなど…医療提供側もそれぞれの想いを胸に色々抱えながら命を救っているのが伺えますね
・普段、患者側からは見えない部分ですが…心に留めておきたい
まとめ
良質な医療漫画でした!
医療者側も患者側もそれぞれの想い、事情などあり、それがまた共感したり色々考えさせられます
妊娠・出産が自身に関係あるか無いかに関わらず、一読の価値ありと思います!!
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